健康情報 ビタミンK メナキノン

ビタミンKには複数の種類がありますが、その中でも納豆菌に含まれるビタミンK2(メナキノン-7)の持つ高い栄養価に着目が集まっています。
一般的には、カルシウムを摂れば骨が強くなると言われていますが、欧米では日本人よりカルシウム摂取量が多いにもかかわらず、骨折率が高いことが報告されています。これは骨代謝などを指標にした場合、特に高齢者ではビタミンK 不足となっているからであると考えられています。そのため、ビタミンK2(メナキノン-7)が注目され始めております。
また、今回の研究により、納豆菌由来のビタミンK2(メナキノン-7)の方が、食品添加物として利用されているビタミンK2(メナキノン-4)よりも栄養価が高いことが判明しました。

1、ビタミンKについて
ビタミンKの特性としては主に次の4つが知られています。
(1)血液凝固を正常に維持する機能
(2)骨粗鬆症を予防する機能
(3)動脈硬化の原因となる動脈への石灰化を防止する機能、
(4)脳脂質の抗酸化機能
ビタミンKには植物由来のビタミンK1 と微生物由来のビタミンK2 があり、ビタミンK2は側鎖の長さの違いからメナキノン-4~メナキノン-14に分類されています。食品に多く含まれるビタミンK としては、野菜などに由来するビタミンK1 と納豆に含まれるビタミンK2(メナキノン-7)があります。
食品添加物としては栄養強化目的でメナキノン-4が利用されています。

第60回日本栄養・食糧学会大会(5 月19 日~5 月21 日)の発表では、SD 系ラットをビタミンK 欠乏にし、ビタミンK1(VK1)、メナキノン-4(MK-4)、メナキノン-7(MK-7) 50 nmol/kg 体重を単回投与し、ビタミンK 活性の指標であるプロトロンビン時間を測定しました。その結果、MK-7 は他のビタミンK と比べて、ビタミンK 活性が長時間持続することをすでに明らかにしてきました。

種類
ビタミンK1 緑黄色野菜、海草、大豆油、緑茶
ビタミンK2(MK-1~14) 微生物が生産(食品では納豆だけに多い)
機能
系 VK依存性タンパク質 機能・効果
血液凝固 プロトロンビン 正常な血液凝固の維持
骨代謝 オステオカルシン 骨形成の促進 → 骨粗鬆症の予防・改善
循環器 マトリックスGlaタンパク 心臓病・動脈硬化の予防
所要量
第6次所要量 第7次摂取基準
成人男子 65μg/日 75μg/日
成人女子 55μg/日 65μg/日
所要量は血液凝固を基準に設定されていますが、日常の食事で充足しており、欠乏症はないと言われています。しかし、最近の研究で骨形成に関しては十分でないことが明らかになっています。
栄養レベルでのビタミンK 代謝を比較するため、ラットのビタミンK 必要量とされている1.11 nmol/g とその3倍量(3.33 nmol/g)のMK-4 またはMK-7 を含む餌をラットに21日間自由摂取させ、脳、すい臓、腎臓、肝臓、精巣、大腿骨、血液中のビタミンK 濃度を測定しました。その結果、すべての臓器でMK-7 を摂取した方が、MK-4 を摂取した場合よりも、ビタミンK2 含量がはるかに高くなりました。脳、大腿骨、すい臓、腎臓、精巣において、MK-4を摂取するよりも、MK-7 を摂取した方が多くのMK-4 が存在しました。(図2、3)これは、MK-4 は反応性が高いため、食事から摂取した場合にすぐに壊れて消失してしまうのに対し、MK-7 は体内で持続的にビタミンK として作用すると同時に効率的にMK-4 に変換されるためと考えられます。
食事から摂取したビタミンK は体内でMK-4 に転換されるため、MK-4 が活性型であると考えられ、食品添加物としてもMK-4 が利用されています。今回の実験から、活性型であるMK-4 を摂取するよりも、MK-7 を摂取した方が体内のMK-4 が大幅に増えるという新しい知見が得られました。特に脳、大腿骨では、栄養所要量レベルのMK-4(1.11nmol/g)を摂取してもMK-4 が有意に増えませんでした。マルチビタミン、カルシウム剤などから栄養所要量レベルのビタミンK を摂取する場合、MK-4 はターゲットとなる臓器まで到達しない可能性を示すもので、MK-7 の優位性が明らかとなりました。


 ビタミンK2の骨に対する作用
 ①これまでの知見
   骨を壊す破骨細胞の働きを抑制し、骨を作る骨芽細胞の働きを促進し、カルシウムを骨に結合するオステオカルシンを活性化する。

 ②新しい知見:J.B.C 2006.6.23
   骨のコラーゲンの合成を促進する→強くてしなやかな、折れにくい骨を作る

VD,VKは骨粗鬆症マーカー?
大腿骨頚部骨折の予後
 手術を伴う入院             ・・95%
 日常生活レベルが元に戻らない  ・・66%
 一人での歩行が出来なくなる    ・・50%
 施設での長期ケアが必要   ・・25~39%
 1年以内に死亡             ・・24%
骨折患者の血液中のVDとVK量は健常人と比べて有意に低く、特に納豆由来のVK2であるMK-7量は1/4~1/5と著しく低かった。(第60回日本栄養・食糧学会大会 神戸薬科大学・衛生科学)

栄養必要量のビタミンK摂取においては、MK-4を摂取してもターゲットとなる臓器へ到達しない可能性があります。
 ビタミンKを摂取する場合は、MK-7で摂取した方が栄養的に優れていると考えられます。

ビタミンK2 添加量(案)
  30~45μg/食 
  ●骨形成に有効な量(MK-7は骨代謝活性が高い)
  ●動脈硬化に顕著な予防効果のある量とほぼ当量
  ●心臓病予防に顕著な効果のある量とほぼ当量
  ● 30歳以上の女性の一日摂取目安量の約1/2
  ●成長期の子供の一日摂取目安量


動脈硬化の種類
1.アテローム性(粥状)動脈硬化
  大動脈・脳動脈・冠状動脈など比較的太い動脈に起きる動脈硬化で、動脈内壁にコレステロールなどのアテローム(粥状物質)ができて、動脈の通路が細くなり、血管壁が硬くなる

2.細動脈硬化
  老化などのため、脳、腎臓などの動脈細管の弾力が低下して起きる動脈硬化で、動脈硬化を起こした血管は梗塞(詰まり)・出血(破裂その他によって)しやすくなる

3.メンケルベルグ型(中膜)硬化
  動脈の中膜にカルシウムが蓄積するために、硬く、もろくなる動脈硬化で、大動脈、足動脈、頚部動脈に起きやすく、血管壁が破れることもある

Time magazine September 2005: Do you know your calcium score?
From the Magazine | Health

The Newest Risk Factor
By ALICE PARK

Posted Sunday, Aug. 28, 2005

First it was blood cholesterol that could give you an early warning that a heart attack might be around the corner. Then came c-reactive protein. And now that doctors can get a better look at what's inside your heart arteries, they are taking a new interest in something they have always known was present in problem vessels: calcium. Hospitals, clinics and even gyms are touting quick and easy scans that can measure the amount of calcium in your coronary arteries in minutes.

Calcium can then build up in the vessels and stiffen them, laying the foundation for heart disease. Getting one's calcium score is simple, either by electron beam computed tomography (EBCT) or by multidetector CT. Studies show that in every age group people with higher vascular calcium levels have a greater risk of heart attack than do people of the same age with lower scores.
 (心臓発作の兆候として、血中コレステロール値やCRP値は相関はない。心臓動脈のカルシウム量が心臓発作と相関がある。カルシウムは、血管壁に蓄積し、堅くし、心臓発作の原因となる。)

動脈瑠の破裂
 大動脈弁の石灰化のみが指標となることがわかった。
年齢、性別、心臓血管病の有無、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症は発症の指標とはならない。(Rosenhek, et al. New England Journal of Medicine 2000)

全死亡率
心臓血管のカルシウム値が高いヒトほど 死亡率が高くなる。(Raggi, et al. Journal of the American College of Cardiology 2004)

ビタミンK2は動脈のカルシウム沈着を抑制し、動脈疾患と心臓病による死亡を防ぐ !!
   マーストリヒト大学 Vermeerら         J. Nutrition (2004)

最近の知見では、
① MK-7は血中滞留時間が長く、活性が高い
② MK-7を摂取すると効率よく各臓器まで届く
③ 骨の形成に必須で骨強化作用がある
④ 血管の石灰化を防ぎ、動脈硬化を予防する
・ビタミンK2は骨粗鬆症、動脈硬化両方を予防する素材

ビタミンK研究会の指導を受けました。
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